限度額適用認定証の申請方法についてまとめています。
限度額適用認定証とは?
限度額適用認定証は、70歳未満の患者の窓口負担を自己負担限度額まで減らせる制度です(70歳以上の方は申請する必要はありませんが、住民税非課税等の低所得者は申請が必要です)。
高額療養費支給申請でも、自己負担限度額を超えた分は後日払い戻されるので、最終的な自己負担額は同じですが、還付までに約3ヵ月かかるため、一時的な自己負担が増えてしまいます。
勘違いされる方もいるのですが、限度額適用認定証を使わないと損をするといった制度ではありません。先に自己負担限度額まで減らしてもらうか、後から払いすぎた分を返還してもらうかの違いです。お金に余裕のある方は、クレジットカード払い+高額療養費支給申請で還付を受け取った方がポイント分お得になることもあります。
ちなみに、現在はマイナンバーカードの健康保険証利用で、限度額適用認定証の準備は不要になりました。
申請場所と手続きに必要な物
加入している保険によって申請場所と手続き方法が異なります。
詳細は加入されている「健康保険組合」「全国健康保険協会」「市町村(国民健康保険、後期高齢者医療制度)」「国保組合」「共済組合」に問い合わせてください。
国民健康保険加入者の場合は、市役所の「国民健康保険窓口」になります。所要時間は15分程度、限度額適用認定証はその場で発行してもらえます。家族の方が申請することもできます。
- 保険証
- 印鑑
- 身分証明書
- マイナンバーの分かる個人番号カードまたは通知カード
限度額適用認定証は、申請した月から適用されます。受け取ったら病院の医事課に提出して下さい。
所得区分と自己負担限度額(70歳未満)
自己負担限度額は、加入者の年齢と前年度の所得水準によって分けられています。
所得区分 | ひと月の上限額(世帯ごと) | 多数該当 | |
---|---|---|---|
ア | 健保:標準報酬月額83万円以上 国保:年間所得901万円超 | 252,600円 +(医療費-842,000円)x1% | 140,100円 |
イ | 健保:標準報酬月額53万円以上83万円未満 国保:年間所得600万円超901万円以下 | 167,400円 +(医療費-558,000円)x1% | 93,000円 |
ウ | 健保:標準報酬月額28万円以上53万円未満 国保:年間所得210万円超600万円以下 | 80,100円 +(医療費-267,000円)x1% | 44,400円 |
エ | 健保:標準報酬月額28万円未満 国保:年間所得210万円以下 | 57,600円 | |
オ | 国保:住民税非課税 | 35,400円 | 24,600円 |
適用区分は、限度額適用認定証に記載されています。
少し複雑に見えますが、難しい計算を覚える必要はありません。事前に限度額適用認定証を提出しておくだけで、窓口負担は自己負担限度額まで減額されます。
多数該当は、過去12カ月以内に3回以上支給を受けた際の4回目以降の限度額です(長期入院等)。
但し、限度額適用認定証が適用されるのは、保険が適用される医療費のみです。保険が適用されない「食事負担金」「差額ベッド代(個室)」「病衣代」「洗濯代」「文書料」等は全て自己負担になります。
最後に
窓口での支払額を減らしたい方は、できるだけ早く限度額適用認定証の申請手続きをして、病院の医事課に提出して下さい。患者が入院中の場合は、家族の方が代わりに申請することもできます。
限度額適用認定証を利用して自己負担限度額で支払った場合と、保険証だけで3割負担で支払った場合では、3ヶ月の入院で50~100万円近く窓口負担に差がでる可能性もあります。立て替える余裕のない方は限度額適用認定証を利用して、事前に窓口負担を減らしてもらって下さい。
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