ストロボの天井バウンスでフィギュアを撮影する方法をまとめています。
カメラの設定
今回は安価なストロボNEEWER TT560を使って撮影します。
最初から適正露出になることはないので、とりあえず暫定値をセットします。
設定 | 値 |
---|---|
ISO感度 | 100 |
F値 | 8 |
シャッタースピード | 1/160 |
ホワイトバランス | オート |
ストロボMODE | M |
ストロボ光量 | フル発光(最大) |
ISO感度を上げると写真は明るくなりますが、上げすぎるとノイズが目立つので注意して下さい。僕は基本的に100にしていますが、500ぐらいまでなら特に気になりません(カメラの性能に影響)。
F値は小さくすると明るく、大きくすると暗くなりますが、ピントの合う範囲にも影響するので、上げすぎ及び下げすぎには注意して下さい。僕はF8.0を基準に調整しています。
シャッタースピードは、カメラのフラッシュ同調速度以下に設定します。遅すぎると環境光の影響を受けますし、速すぎるとシャッター膜の影が写り込むので注意して下さい。僕は1/100~1/160に調整しています。
定常光とは異なり、ストロボの光はシャッタースピードで露出を調整できない点にだけ注意して下さい。
実際に撮影して調整する
今回はズームレンズの焦点距離70mm(35mm換算)で撮影しています。
撮影する時は、部屋の照明を点けままでもOKですが、カメラの設定が反映されるミラーレス機種(EVF)で液晶やファインダーが真っ暗になる時は、カメラ側で設定効果反映をOFFにして下さい。
また、ストロボは天井に向けて発光しますが、少し前に向けたり、少し後ろに向けるだけでも光の当たりが変わるので、イメージと異なる時は角度を調整してみて下さい。
ストロボのみ(天井バウンス)
ストロボの天井バウンスだけで撮影しました。
設定 | 値 |
---|---|
ISO感度 | 100 |
F値 | 8.0 |
シャッタースピード | 1/160 |
ホワイトバランス | オート |
ストロボ | フル発光(最大) |
少しアンダー気味なので、全体を明るくして、暗い部分にレフ版を追加していきます。
ISO感度で露出を調整
ISO感度を上げて全体の明るさを調整しました。
設定 | 値 |
---|---|
ISO感度 | 160 |
F値 | 8 |
シャッタースピード | 1/160 |
ホワイトバランス | オート |
ストロボ | フル発光(最大) |
ストロボはフル発光しているので、全体の明るさはISO感度及びF値で調整するしかありません。
今回はこれ以上F値を開きたくないので(ピントの合う範囲が狭くなる)、ISO感度を上げて明るくしました。この際、シャッタースピードを遅くすると環境光の影響を受けるので注意して下さい。
ストロボ(天井バウンス)+レフ版x2
顔が暗いので、サイドと手前にレフ版を追加しました。
設定 | 値 |
---|---|
ISO感度 | 160 |
F値 | 8 |
シャッタースピード | 1/160 |
ホワイトバランス | オート |
ストロボ | フル発光(最大) |
ホワイトバランスが特にずれていなければこれで完成です。
定常光でも同様、1灯で撮影する時はレフ版を使って暗い部分を明るくするのがポイントです。
グレーカードを使ってホワイトバランスを取得
色味が気になる時は、グレーカードを使ってマニュアルでホワイトバランスを取得します。
撮影時にホワイトバランスを設定する場合は、天井の照明を消してできるだけ暗い部屋で操作して下さい。
部屋が明るい状態でホワイトバランスを取得しようとすると、ストロボ+環境光のミックス光のホワイトバランスを取得してしまう可能性があります(カメラのホワイトバランス取得方法にもよる)。
最後に
手っ取り早くフラットな拡散光を作りたい時に天井バウンスはおすすめです。
ただ、天井バウンスは、全体的にフラットな拡散光が当たるので、背景を暗くしたり、ライティングで背景にグラデーションを付けたりするのが苦手です。また、シャッターを切るまで結果が分からないので、ある程度ライティングのイメージができないと、調整に時間がかかります。
ちなみに、ストロボのフル発光は「ストロボの寿命が短くなる」「バッテリーの消耗が早くなる」「発光可能状態までのチャージ時間が長くなる」のであまりよくないらしいのですが、僕は3年前に購入したTT560が2機とも未だに壊れず普通に使えているので、気にせずフル発光させています。
気になる方は、ストロボのパワーを落として、ISO感度で露出を調整して下さい。
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