フィギュア撮影におけるPLフィルター効果についてまとめています。
フィギュア撮影とPLフィルター
PLフィルターの使い方と効果
PLフィルターは、二重枠になっている前枠部分を回して調整することで、特定方向からの反射(映り込み)を除去できるフィルターです(反射面に対して30~40°の角度で撮影した時に最も効果を発揮する)。
但し、正面の反射(反射面に対して90°)を除去することはできません。
例えば、ガラス越しに正面からフィギュアを撮影した場合、どんなにPLフィルターを調整しても、ガラスに写る自分の姿やカメラの映り込みを消すことはできません。
また、反射面に対して90°に近づく程効果が薄れ、角度によっては期待した効果が得られないこともあります。PLフィルターは、付けるだけでどんな反射も除去できる万能アイテムではありません。
Asahiwaさんのサイトにも詳しい解説記事があるので、興味のある方は読んでみて下さい。
PLフィルターありなしの比較
左はPLフィルターなし、右はPLフィルターありの写真です。
PLフィルターを使うとことで、右目の反射(映り込み)を完全に除去できています。
これを見ると、「PLフィルター凄い!」となりますが、最初の比較画像をよく見て下さい。
PLフィルターを付けた写真は、右目だけでなく、向かって左側のエッジに入れたハイライト(反射)も除去されていますし、鞘上部のハイライトも薄くなっています。残念ながら、アイプリの反射だけを除去するなんて都合のいいことはできません。PLフィルターの効果は、特定方向からの反射全てに影響を及ぼします。
意図して入れたハイライトも除去されてしまう可能性があるので、PLフィルターを使う時は、アイプリの反射だけでなく、ライティングのイメージが損なわれる可能性も考慮する必要があります。
もちろん、PLフィルターを使わないという選択肢もあります。
PLフィルターを使わない選択肢
ざっくりとですが、アイプリの映り込みと対処法についてまとめてみました。
- レフ版の角度を変える
- レフ版の位置を変える
- 映り込んでいる場所に黒いレフ版や黒い紙を置く
- 黒系の背景紙に変える
- フレーム外なら黒いレフ版や黒い紙を置く
- 照明の角度を変える
定常光なら目視で確認できるので、レンズと同じ目線で何が映り込んでいるのかを確認します。
レフ版が原因であれば、レフ版を外すだけで判断できるはずです。
何が映り込んでいるか分からない時は、黒いレフ版の切れ端や紙を使って、アイプリに映り込んでいる場所を特定することができます。映り込んでいる場所は大体予測できると思うので、その付近で黒いレフ版の切れ端や紙をかざして、アイプリの映り込みが消える場所を特定して下さい。
ディフューザーが原因の時は、特定した場所に黒いレフ版や黒い紙を置くだけでアイプリの反射を除去することができます(小さい程ライティングへの影響は少なくなります)。
但し、大なり小なりライティングへの影響はあるので(特に照明の目の前に黒いレフ版を置く場合は注意)、照明の位置も若干見直すことをおすすめします。
背景紙が原因の時は、フレーム外なら黒いレフ版や黒い紙を置いて対処できますが、フレーム内の場合は、黒系の背景紙に変更する及びPLフィルターの使用を検討してみて下さい。
少し手間はかかりますが、ライティングを工夫すれば、アイプリの映り込みは消すことができるので、PLフィルターを使いたくない方は、ライティングを試行錯誤してみて下さい。
ちなみに、僕はフィギュア撮影でPLフィルターを使うことはありません。
最後に
僕の場合は、自分の組んだライティングのイメージが崩れてしまう(意図して入れたハイライトまで消えてしまう)のでPLフィルターを使うことはありませんが、ライティングに正解はないので、自分のイメージした写真が撮れるのであれば、PLフィルターを使うべきだと思います。
ただ、アイプリの映り込みを消すためだけにPLフィルターの購入を検討しているのであれば、アイプリの反射を必ず除去できる訳ではない&大なり小なりライティングに影響を及ぼすことだけは覚えておいて下さい(期待した効果を得られない可能性もある)。
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